ハロルド・ロイド主演作「ロイドの舞台裏」

 
 詳細不明作品

 舞台の雑用係を努めるロイドは、女優の衣装ケースの中にヘビを見つけて大騒ぎ。舞台の幕が上がった後も、失敗を繰り返す。

 冒頭、バーテンのロイドが酒を飲んでいる。そこにやって来た支配人に「仕事をしろ!」と注意されると、書割のカウンターや棚を片付けて、実は舞台で使うセットでしたというギャグが秀逸。さらに後半では、階段を降りているように見えたが、実は少しずつかがみながら歩いていたという、今でもたまに見るパントマイム芸を見せてくれる。

 とはいえ、全般的には平板な印象が拭えない。ヘビを小道具にしているものの、ただヘビから逃げるためにみんなで大騒ぎしているに過ぎない。チャールズ・チャップリンの初期の映画で見たようなドタバタは、この作品単体で見てもあまり面白さを感じられなかった。

 この頃、ロイドは大量の作品に主演している。まとめて見ることができれば、ロイドのキャラクターの変化を知ることができるのかもしれないが、単体では難しい。