チャールズ・チャップリンの映画製作「犬の生活」「担え銃」

 ミルドレッド・ハリスとの結婚で私生活が慌しかったチャップリンだったが、「犬の生活」(1918)と「担え銃」(1918)を監督している。

 「犬の生活」は、メランコリックな放浪者を具体化した作品で、大男と小男、金持ちと貧乏人といった対比が特徴的な作品である。

 「担へ銃」は、第一次大戦の休戦1ヶ月前に公開された作品で、「戦争に対する純粋に人道的で感傷的な抗議」(ジョルジュ・サドゥール)でもあった。戦争と共に、D・W・グリフィスやメアリー・ピックフォードなどのアメリカ映画をも笑いものにしていた。元々のラストはイギリス国王やウィルソン米大統領との大宴会で、チャーリーがボタンをもらうとズボンがずり落ちるというものだったが、検閲で削除されたとも撮影自体されなかったと言われている。また、チャップリンが5巻から3巻に短縮し、自由公債を売るために3ヶ月間活動しなかったら、アメリカは「担え銃」の上映を許可しなかったかもしれないとも言われている。

 他にもチャップリンは、自由公債の宣伝映画「公債」(1918)や、自らの撮影所の完成と撮影風景をスケッチ風に描いた「映画の作り方」(1918)といった短編も製作している。