モーリス・トゥルヌール 見事な映像表現で女性を描き出す

 パラマウント系のアートクラフト社で活躍していた監督のモーリス・トゥルヌールは、極端に様式化されたセットで撮影された「青い鳥」や、ロンドンの霧が効果的で、夜の奥行きを見事に表現した「スポーツ生活」(1918)を監督している。さらには、独自の美しい映像によって女心を描き出したトゥルヌールは、エルシー・ファーガソン主演の「名花薔薇」(1918)に加えて、「イントレランス」的にさまざまな時代の物語を通じて女性の姿を描いた「ウーマン」(1918)も監督している。このときトゥルヌールは、友人でもあったカメラマンが撮影中の事故で溺死し、しかもトゥルヌールは目前でその様子を見ながら助けられないという悲劇的な体験をしている。

 第一次大戦によりフランスからニューヨークのパテ撮影所に移って仕事をしていたレオンス・ペレは、1918年頃に愛国的な作品を手がけていたという。