スウェーデン ヴィクトル・シェーストレーム「生恋・死恋」

 スウェーデンではヴィクトル・シェーストレームが、愛し合う男女への嫉妬と偏見を描いた「生恋・死恋」(1917)を監督して、注目を集めた。

 横暴な地主から妻を奪い取った主人公の男と妻が山にこもる。2人の間には子供が出来る。しかし、地主の復讐によって2人は子供を失ってしまい・・・という物語だ。

 「生恋・死恋」は、素晴らしい演技に加えて、山岳の遠景の鮮明な撮影など、風景や背景が登場人物のように効果的に使用されており、スタジオのセットも素晴らしかったといわれ、フランスでは芸術の偉大な理想に到達した最初の作品として歓迎されたという。

映画映像史―ムーヴィング・イメージの軌跡

映画映像史―ムーヴィング・イメージの軌跡