チャールズ・チャップリン作品「公債」

原題「THE BOND」 製作国アメリ
チャールズ・チャップリン・プロデクションズ、リバティー・ボンド・コミッティー製作 ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給
製作・監督・脚本・出演チャールズ・チャップリン 出演エドナ・パーヴィアンス

 アメリカ政府による戦時公債の宣伝映画である。当時、大スターだったチャールズ・チャップリンが出演している。チャップリンは映画だけではなく、公債販売促進のためのツアーにもダグラス・フェアバンクスやメアリー・ピックフォードらと共に参加している。

 「BOND」には「絆」の意味があり、友人との絆や恋人との絆がチャーリーの姿を通して描かれる。最後は、戦時公債の仕組み(一般大衆が公債を買い、それが武器を作る金となり、若い兵士が武器を持って戦地へ赴く)の紹介があり、ドイツの皇帝(チャップリンの兄であるシドニーが演じている)を「LIBERTY BOND」と書かれたハンマーで倒し、チャップリンが「公債を買おう!」と叫ぶシーンで終わる。

 映画としてはそれほど面白いわけではないが、当時の映画と社会の関係を考える上で、貴重な作品ではある。