映画評「ロージーの正体」

 製作国アメリカ 原題「THE GHOST OF ROSY TAYLOR」
 アメリカン・フィルム・カンパニー製作 ミューチュアル・フィルム配給
 監督エドワード・スローマン 出演メアリー・マイルス・ミンター、アラン・フォレスト、ジョージ・ペリオラット

 父に死なれて1人になってしまった少女ローダは、父の故郷であるアメリカへやって来る。金のないローダは仕事を探すが、なかなか見つからない。ある日、亡くなったメイド宛の仕事のメモを見つけたローダは、メイドが働いていた家へ行ってみる。

 メイドが亡くなっているはずなのに、掃除がされていることを知った中年女性2人が、ロージーの亡霊がいると怯えるオープニングから始まり、時間を遡ってそこに至るまでのローダの姿を描くという構成に工夫が感じられる。

 当時人気を得ていたメアリー・ピックフォードの作品に似た要素を持っている感情表現の豊かさではピックフォードが勝っているが、愛らしさだけならばミンターの方が上だ。