ユナイテッド・アーティスツ(UA)の設立

 1919年4月、D・W・グリフィス、メアリー・ピックフォード、ダグラス・フェアバンクス、チャールズ・チャップリンという当時の映画界の大物たち4人が映画配給会社を設立している。それがユナイテッド・アーティスツ(UA)である。

 元々はウィリアム・ギッブス・マカドゥー元財務長官と、大銀行・大企業が設立に関わっていた。チャップリン、フェアバンクス、ピックフォードの3人は、1918年の自由公債の宣伝でマカドゥーと知り合っていた。

 3人は、D・W・グリフィスとウィリアム・S・ハートを誘った。だが、トマス・H・インスの元を去り、パラマウントで映画撮影を行っていたハートは、パラマウントに引き止められたという。

 マカドゥーの部下であるオスカー・F・プライスが会長に就任し、他の有名スターを集めて、巨大な映画館チェーンを持とうとした。だが、社長に就任したハイラム・エイブラハムとプライスが対立。結局、プライスとマカドゥーは身を引くことになる。

 ユナイテッド・アーティスツにおいて、4人はそれぞれプロデューサーとして活躍していく形となった。

アメリカ映画の大教科書〈上〉 (新潮選書)

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