アソシエイテッド・プロデューサーズ・コーポレーションの設立

 ユナイテッド・アーティスツの設立は、多くの製作者や監督たちを刺激した。そして、1919年11月に、トマス・H・インス、ジョージ・ローン・タッカー、アラン・ドワン、マック・セネット、マーシャル・ニーラン、モーリス・ターナーキング・ヴィダーらが参加して、アソシエイテッド・プロデューサーズ・コーポレーションを結成している。

 この会社は1921年にファースト・ナショナルの傘下となり、名称もアソシエイテッド・ファースト・ナショナル・コーポレーションに改めることになる。

 参加者の1人であるモーリス・トゥルヌールは、文芸作品の映画化へ向かっていった。様式化されたセットや、野外や自然風景の利用が特徴的だったと言われている。この年には、ジャック・ホルトが南海を舞台に悪漢と戦う「ヴィクトリー」(1919)、リュー・コディーやポーリン・スターク出演の「悩める胡蝶」(1919)などを監督している。

 またインスは、設立前に「THE BUSHER(最後の本塁打)」(1919)を監督している。チャールズ・レイ主演の作品で、草野球からメジャー・リーグを目指す青年を描いている。

映画史を学ぶクリティカル・ワーズ

映画史を学ぶクリティカル・ワーズ