アラ・ナジモヴァの活躍

 アラ・ナジモヴァはメトロ社で売り出された女優で、当時人気を集めていた。クリミアのヤルタ生まれのナジモヴァは、当時40歳代だった。

 フランスで文芸的な作品を製作していた会社であるスカグル社にかつて所属していたアルベール・カペラーニが演出した「海の神秘」「紅燈祭」(1919)で個性が確立したと言われている。情熱だけではなく、知性を感じさせるナジモヴァの役柄は、女性にも気に入られたという。カペラーニがアメリカを離れた後は、夫のチャールズ・ブライアントがナジモヴァの作品を演出していくことになる。

映画映像史―ムーヴィング・イメージの軌跡

映画映像史―ムーヴィング・イメージの軌跡