衰退から脱却できないイギリス映画

 イギリス映画は相変わらず衰退したままだった。

 そんな中、古参の映画製作者であるセシル・ヘップワースは、アルマ・テイラー主演の「丘の上の森」(1919)や、ロナルド・コールマンが小さな役で出演した「シーバ」(1919)を製作している。

 一方で、映画製作者だったウィル・C・バーカーは、1919年に映画界から離れている。

 第一次世界大戦終結していたが、アイルランド生まれで、ハリウッドで活躍していたハーバート・ブレノンによる「イギリスの侵入者」(1919)という戦争映画が、大戦終了後に完成されている。

 ドキュメンタリーの分野では、イギリスの探検家アーネスト・シャックルトンが南極探検を行った様子を撮影したドキュメンタリー「SOUTH」(1919)が、フランク・ハーレーの手によって作られている。