映画評「初舞台」

 原題「BACK STAGE」 製作国アメリ
 製作コミック・フィルム・カンパニー 配給パラマウント・ピクチャーズ
 監督・出演ロスコー・アーバックル 出演バスター・キートン アル・セント・ジョン

 ヴォードヴィル小屋の舞台裏で働くファッティとキートンだが、一座のボスの怪力男を怒らせてしまい、一座は帰ってしまう。困った2人は、自分たちが舞台に出ることにする。

 アーバックルのコメディにキートンが出始めた最初の頃は、アル・セント・ジョンもキートンと同じくらいの役割を果たしていたのだが、「初舞台」の頃になると影が薄い。それだけ、キートンの存在感が大きくなっていたということだろう。

 「初舞台」の見所は、ファッティとキートンが共演する舞台だろう。ここでは、キートンは持ち前のアクロバティックな動きを見せてくれる。また、2階建ての家の書割がファッティの上に倒れてしまうが、開いている窓の部分にファッティがいるため助かるというギャグがある。後にキートンが、そしてさらに後にジャッキー・チェンが受け継ぐギャグだ。

 「初舞台」は、この頃作られたアーバックルとキートンのコメディの中で、取り立てて出来がいいものとは言えないかもしれないが、それでも十二分に楽しませてくれる。

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