映画評「ロイドの父に聞いて」

 原題「ASK FATHER」 製作国アメリ
 製作ローリン・フィルムス 配給パテ・エクスチェンジ
 監督ハル・ローチ 出演ハロルド・ロイド

 ある青年が金持ちの娘に恋に落ち、娘の父親に結婚の許可をもらおうとする。だが、父親は街で一番忙しい人物で、オフィスへ行っても使用人たちに追い返されてしまいなかなか会うことができない。

 ロイドは、女装したり、甲冑をかぶって使用人たちを蹴散らしたりと、あの手この手で恋する女性の父親に会おうとするのが最大の見所。後年、「要心無用」(1923)で見せるビル登りも披露してくれる。

 結局、ロイドの努力は恋する女性が別の男性と駆け落ちすることが分かり、意味がないものとなってしまう。だが、ロイドのまっしぐらに目的に向かう姿勢は爽やかで、後のロイドのキャラクターに通じるものがある。