リリアン・ギッシュ唯一の監督作

 リリアン・ギッシュに監督作があることはほとんど知られていないが、唯一の監督作が1920年に作られている。

 D・W・グリフィスがリリアンに進めたという唯一の監督作品は、リリアンの妹であるドロシー・ギッシュ主演のコメディで、タイトルは「亭主改造」(1920)という。

 5万ドルの予算だったが撮影に5万8千ドルがかかり、さらに撮影が間に合わなかったために警察の許可を受けないでニューヨークで街頭撮影を行ったりしたという。

 興行的にはヒットし、ドロシー・ギッシュが主演したパラマウントの作品の中でも2番目の収益を上げたというが、リリアン・ギッシュは2度と映画を監督したいとは思わなくなったという。