バスター・キートンの単独主演がスタート
1917年よりロスコー・ファッティ・アーバックル映画の助演として活躍していたバスター・キートンは、この年から自身主演の短編喜劇の製作を始めている。アーバックルはジョゼフ・スケンクが製作を担当するコミック社で喜劇を製作していたのだが、1919年にパラマウントへ移籍したのだった。キートンはスケンクの元に残り、新たに設立されたキートン・フィルム社で、主演として活躍していくことになる。キートンはアーバックルの製作ユニットを引き継ぎ、週給1,000ドルと利益の25%を得ることとなった。
単独主演デビュー作は「文化生活一週間(マイホーム)」(1920)である。ちなみにキートンは、「文化生活一週間」撮影中に、2階からの落下シーンでヒジが倍くらいに腫れるという怪我をしている。
キートンは自らの特質について自ら下記のように語っている。
「いくつかの滑稽さは常に観客に秘密を打ち明けることにあるようです。それはファッティが実行しているようなものです。観客は彼と一緒に笑うのに対して、私に関しては、観客は私を見て笑うのです。結局、滑稽さは<馬鹿なことをする>ことにあります。真面目にやればやるほど、おかしくなるのです」
1919年にロウズ社を設立していたマーカス・ロウは、1920年に配給会社のメトロ社を買収していた。キートンの作品は、メトロ社の配給で公開されていくことになる。
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