「狂へる悪魔」 ジョン・バリモアの名演技

 ジョン・バリモア主演の「狂へる悪魔」(1920)は、ロバート・スティーブンソン原作の「ジキル博士とハイド氏」の映画化である。眉目秀麗なバリモアが凶暴なハイドへと変身する際の、髪を振り乱し、歯をむき出し、指が異常に長くなり、皮膚も黒ずむメイクアップと演技が効果的だった。ハイドがいじめる踊り子ジナと対照的に清純な貴族の娘ミリセントが婚約者として登場する。この2人の女性は原作には登場しないが、以後の映画化でもたびたび登場することになる。また、同じ原作を元にしているが、舞台を現代のニューヨークにした「暗黒の恐怖」(1920)も製作されている。

狂へる悪魔 [DVD] FRT-154

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