映画評「人生の関所」

 原題「THE TOLL GATE」 製作国アメリ
 ウィリアム・S・ハートプロダクション製作 パラマウント=アートクラフト・ピクチャーズ配給
 製作・脚本・出演ウィリアム・S・ハート 監督・脚本ランバートヒルヤー

 列車強盗のボスであるブラックは、最後の仕事で仲間のジョーダンに裏切られて逮捕されるが途中で逃走。逃げた先で出会った母子の小屋に匿われるが、保安官とジョーダンの手が伸びる。

 ハートが最も気に入っている作品とも言われる映画である。確かに、「グッド・バッド・マン」というハートが人気を得たキャラクターの典型ともいえる作品である。男に棄てられた女性とその子供の無垢さを見て、それまで強盗として生きてきたハートの心が和らいでいくというお決まりの展開だが、ハートの朴訥な表情(無表情)が雄弁に内面の変化を語ってくれる。

 ウィリアム・S・ハートとはどんな映画を作った役者かと聞かれたら、こんな映画を作った役者だと答えるにふさわしい作品だ。