映画評「THE SON OF TARZAN」

 製作国アメリカ ナショナル・フィルム・コーポレーション・オブ・アメリカ製作・配給
 監督アーサー・J・フラヴェン、ハリー・レヴィア 原作エドガー・ライス・バロウズ
 出演カムエラ・C・サール、デンプシー・タブラー、マニラ・マルタン、カーラ・シュマル、ゴードン・グリフィス

 バロウズの原作から、ターザンの息子に焦点を当てた部分を取り出して作られた連続映画。全15エピソードである。

 1話完結ではなく、15話で1つの物語となっている。基本的には、ターザンの息子やターザンと愛する女性が悪漢に襲われるという話が基本になっている。そこに、ターザン自身やターザンの妻がイギリスからやって来て、ジャングルを舞台に入り乱れた争いが起こる。

 優れた演出があるわけではないが、今はイギリスの貴族になっているターザンがジャングルにやって来ると、かつてジャングルに住んでいた時の扮装をして登場したりといった、一歩間違えるとギャグになってしまう細かい部分は楽しむことができた。とはいえ、動物たちの鳴き声も、ターザンの雄たけびも聞こえないサイレントのターザンはどこか寂しい。