ピックフェアの活躍 「三銃士」「小公子」・・・

 コスチューム・プレイの路線を進んでいたダグラス・フェアバンクスは、アレクサンドル・デュマ原作の「三銃士」(1921)に出演し、快男児ぶりを徹底的に発揮している。「奇傑ゾロ」(1920)も担当したフレッド・ニブロが監督している。クライマックスのイギリスの古城で主人公のダルタニアンが敵を1人、また1人と倒していくシークエンスでは、ニブロの大胆かつ流麗な演出が冴えていた。

 当時人気の絶頂にあったメアリー・ピックフォードは、イギリスの子供向け小説の映画化である「小公子」(1921)に出演し、大ヒットを飛ばしている。他にも「愛の燈明」「勝手口から」(1921)といった作品にも出演している。

 「小公子」では、主人公の小公子と小公子の母親の二役をピックフォードは演じた。ピックフォードは、好んで二役を演じたと言われた。それは、イメージを変えることなく、幅のあるキャラクターを演じることができ、おとなびた役柄を演じたいというピックフォードの思いを満たすためだったとも言われる。