トップ監督たちの活躍

 ジョージ・ローン・タッカー(1921年に死去)監督の「ミラクルマン」(1921)は、主演のロン・チャニーが素晴らしい演技を見せ、国際的な大ヒットを収めている。

 ルドルフ・ヴァレンティノがスターとなった「黙示録の四騎士」(1921)を監督したレックス・イングラムは、「征服の力」(1921)という作品も監督している。オノレ・ド・バルザックの「ウジェニー・グランデ」を現代に舞台を変えて映画化した作品である。

 ジョージ・フィッツモーリス監督は、エルシー・ファーガソンとウォーレス・リード共演の甘美な純愛物語「永遠の世界」(1921)や、リチャード・バーセルメス主演の登場人物が人名なしの象徴的な異色作「経験」(1921)などを監督している。

 チャールズ・ブレービンは、息子を殺した男が来るのを足音で聞き分けて復讐する盲目の主人公をタイロン・パワー(シニア)が熱演する秀作「跫音」(1921)などを監督している。

 ジョン・フォードはフット・ギブソン主演「百発百中」(1921)やハリー・ケイリー主演「吹雪の道」(1921)などを監督したあと、ユニヴァーサルからフォックスへ移籍している。フォックスでは、シャーリー・メーソン主演「ジャッキー」(1921)を監督、以後は西部劇専門ではなく、幅広いジャンルの作品を監督していく。