トップ俳優たちの活躍

 一人前になる体験に直面してしり込みする若者を演じ続け、スターの座を保持し続けていたチャールズ・レイは、同じような役柄の「懐かしの泉」(1921)に出演している。この作品は無字幕で構成されており、秀作と評されている。

 自身のプロダクションで映画製作を行っていた早川雪洲は、日本人スターとしての人気を保ち、「怒髪天を衝いて」(1921)や妻の青木鶴子と共演した「黒薔薇」(1921)などに出演している。

 西部劇スターとして人気を高めていたトム・ミックスは、「荒武者一騎」(1921)などに愛馬トニーと共に出演している。ミックス西部劇の特徴は曲乗りや早撃ちと言った派手なアクションで、トニーはこれに合わせて断崖絶壁から飛び降りたり、火をくぐりぬけたりとサーカス顔負けの働きをした。”ホース・オペラ”の愛称で呼ばれたように、ミックス西部劇はトニーの活躍が売り物だったという。

 ちなみに、活況を続けた連続映画の分野では、「ハリケン・ハッチ」(1921)などが作られている。