ドイツの「絶対映画」

 1920年代のドイツで多く作られていく、非具象的な映像が画面に展開する映画群である「絶対映画」の分野では、ヴィキング・エッゲリングの「対角線交響楽」「平行線交響楽」「水平線交響楽」(1921−1925)やハンス・リヒターの「リズム21」(1921)が製作されている。エッゲリングとリヒターは、ダダイズムの画家であり、新たに映像を表現の媒体として製作した。当時の観客に新鮮な実験として受け取られ、ドイツやフランスの前衛芸術家グループに高い評価を受けたという。2人の影響を受けて、後に「伯林−大都会交響楽」(1927)を発表するワルター・ルットマンも、「作品」(1921)という短編を製作している

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