映画評「DAS INDISCHE GRABMAL ZWEITER TEIL」

!注意! 結末に触れている部分があります


 英語題「THE INDIAN TOMB」 製作国ドイツ
 マイ・フィルム製作 Europäische Film-Allianz配給
 監督・製作ヨーエ・マイ 脚本テア・フォン・ハルボウ、フリッツ・ラング
 出演オラフ・フェーンス、ミア・マイ、コンラート・ファイト

 イギリス人の建築家ハーバートは、インドのマハラジャの求めに応じ、巨大な墓を造るためにインドへ向かう。ハーバートの婚約者アイリーンも、後を追ってインドへ。マハラジャは、自分を裏切って不倫した妻と不倫相手の白人を殺して、墓に葬ろうとしていることを知る。

 前・後編の二部作で、トータルで3時間半にわたる大作である。巨大な宮殿や豪華な衣装など、大作に足る要素を備えている。

 この作品は、フリッツ・ラングが脚本を担当した作品である。ラングは監督も望んだがマイによって却下され、怒りのあまりに当時所属していたマイの会社を辞めている。とはいえ、元々はハルボウの原作によるのだから、ラングはしゃしゃり出すぎたのかもしれない。

 ハルボウとラングによるストーリーは、インドのイメージを生かした神秘性に嫉妬を絡めたものになっている。同年のラング監督作「死滅の谷」(1921)で不気味な死神を印象的に演じたベルンハルト・ゲーツェが、ここではマハラジャによって死から甦り、超自然的な力を使えるという不気味な風貌に合った役柄を、印象的に演じている。とはいえ、途中から神秘性が薄れていくのと、最終的には「愛」がすべてを救うというお決まりの展開に新鮮さは感じられなかった。

 コンラート・ファイトのことを忘れてはならないだろう。ここではハンサムだが嫉妬深いマハラジャ役を、自然に演じている。加えて、途中では女装と思われるキッチュな姿も披露してくれる。

 作品の規模も大きく、当時のドイツ映画の娯楽大作の一端を知ることができる作品だが、それ以上でもそれ以下でもない。



The Indian Tomb [VHS] [Import]

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