映画評「THE MAN WITH THE TWISTED LIP」

 製作国イギリス ストール・ピクチャー・プロダクションズ製作・配給
 監督モーリス・エルヴィ 原作アーサー・コナン・ドイル 出演エイル・ノーウッド

 言わずと知れたコナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズものの1つである。舞台俳優のノーウッドがホームズを演じた、サイレント映画として作られたホームズの短編シリーズの一篇だ。

 ストーリーは淀みなく流れるが、多くは字幕で説明されている。映像はストーリーの理解を促進させるための挿絵的な役割を果たしている。とはいえ、最大の見せ場は映像によってもたらされていることも触れておこう。

 ストーリー自体の面白さが、映画全体を救っている。この作品は名作とは言えない。だが、映像をどう使うかという点において、物語の理解を促進させるという役割をきっちりと果たしているということは間違いないし、それは非常に有意義なことなのだろうと思う。