ハル・ローチの「ちびっこギャング」シリーズの開始

 ハロルド・ロイドの作品は、ハル・ローチのプロダクションで製作されていた。この頃のローチのプロダクションは、ロイドの他にもチャーリー・チェイスやスナブ・ポラードも活躍して、活況を見せていた。加えて、この年から「ちびっこギャング(アワー・ギャング)」のシリーズが開始され、人気を呼んでいる。

 「ちびっこギャング」は、子供たちのグループがいたずらをしたり、思わぬ手柄を立てたりするコメディである。最初のメンバーは、ミッキー・ダニエルズ、ジャッキー・コンドン、ペギー・カートライト、アーニー“サンシャイン・サミー”モリソンであり、やがて“デブ”のジョー・コッブ、メアリー・コーンマン、ジャッキー・デーヴィスが加わった。これだけ大勢の子供のグループに活躍させるコメディは初めてで、ローチ傘下の大人のスターもゲスト出演したこともあり、人気を呼んだ。トーキー初期まで製作が続けられて、ローチのプロダクションのドル箱になっていく。