セシル・B・デミル 不動のヒット・メイカー

 セシル・B・デミルはこの年、「土曜日の夜」「屠殺者」(1922)などのヒット作を送り、ヒット・メイカーの地位を高めている。「屠殺者」では、ヒロインの殺人事件を告発する判事が、上流社会をローマ帝国の宮廷にたとえられていた。

 デミルの作品においては、セックスは非難されるべきものと描かれるが、実際は最大の売り物であった。そのために、ハリウッドの道徳的退廃が叫ばれると、デミルの作品は世間から真っ先に叩かれていた。

 そんなデミルは、この年設立されたMPPDAの会長ウィル・ヘイズと親しくなり、道徳的な作品を作るようになっていく。


映画評「屠殺者」