ジェームズ・クルーズ 「幌馬車」への助走

 ジェームズ・クルーズは、「魂の入替え」「剣の輝き」「ふるさとの家」(1922)といった作品を監督している。

 「魂の入替え」は、ウィル・ロジャース主演のコメディである。心の弱い心霊学者ロジャースが、心霊会でトランス状態になり、今まで気づかなかった市政の腐敗をやっつけ、愛していた女性の心も手に入れるという内容の作品である。

 「剣の輝き」は、ウォーレス・リード主演の作品である。革命華やかなりし南米で、金持ちの道楽息子が、大騒ぎを繰り広げるアクションコメディである。

 「ふるさとの家」は田園が舞台した、きめ細やかな人情ドラマである。

 これら3本は違った特色を持った作品であり、これらの特色は「幌馬車」(1923)の演出に生かされることになる。