レックス・イングラムが、新スター「ラモン・ノヴァロ」を発掘

 「黙示録の四騎士」(1921)で、ルドルフ・ヴァレンティノというスターを誕生させたレックス・イングラムは、アンソニー・ホープ原作小説の映画化である「ゼンダ城の虜」(1922)を監督している。某王国の王位を巡る陰謀活劇である。主演のルイス・ストーンは国王とイギリス紳士の2役を演じた。悪役を演じたラモン・サマニヨゴスは、後にラモン・ノヴァロと改名してスターとなることになる。

 イングラムは「心なき女性」(1922)も監督し、この作品にもラモン・ノヴァロが出演している。イングラムがかつて製作した「黒蘭」の物語を、新たな解釈と進歩した技術で自ら再映画化したものである。小説家レオンの娘ジャッケリンは若いアンリを慕っていたが、意地っ張りなため恋心を明らかにしないでおり・・・という内容の作品である。