スター達の活躍 1922年

 自身のプロダクションを設立して映画製作を行っていたアラ・ナジモヴァは、イプセンの舞台を映画化した「人形の家」(1922)を製作している。監督は夫のチャールズ・ブライアンが担当し、ナジモヴァは主演のノラを演じた。

 フランク・ロイド監督によるチャールズ・ディケンズ原作の映画化である「オリバー・トウィスト」(1922)は、チャールズ・チャップリンの「キッド」(1921)に主演して、人気者となっていたジャッキー・クーガンが主演している。

 ミリアム・クーパーは、ラオール・ウォルシュが監督したピーター・B・カインの小説の映画化である「世界を敵として」(1922)に主演している。夫の重婚を知り帰郷したヒロインを故郷の人々は冷たく扱うが、昔の恋人だけがかばうというセンチメンタルなストーリーだった。

 少女役でスターの座を保持していたメアリー・ピックフォードは、女流作家グレイス・ミラー・ホワイトの小説を映画化した「嵐の国のテス」(1922)に主演している。金持ちのエリアス・グレイヴスは丘の上の美しい邸宅を買い、近くの湖畔に住む貧しい漁師たちを追い払おうとするのだが・・・という内容の作品である。

 イギリスの有名なアクロバット一家の子孫で、イギリスの舞台からブロードウェイを経て、映画界へとやって来ていたルピノ・レインは、フォックスと契約して、「仲買人」(1922)などに出演していく。

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