その他のアメリカ映画 1922年

 新聞王として知られるウィリアム・ランドルフ・ハーストは、愛人であるマリオン・デイヴィスのための映画製作会社「コスモポリタン」を設立していた。「武士道華やかなりし時」(1922)は、コスモポリタンが製作してデイヴィスが主演を努めた作品で、150万ドルの大金が使われたという。

 後に大監督として活躍することになるハワード・ホークスがこの年、パラマウントの脚本部に入社。シナリオ・ライターとしてキャリアをスタートさせている。

 「雪谷の脅威」(1922)は、数年前から流行し始めた北西騎馬警官映画の1つであり、フランク・ボーゼージが監督。リュー・コディー、アルマ・ルーベンスが出演した。

 「キック・イン」(1922)はジョージ・フィッツモーリス監督作で、バート・ライテル、ベティ・カンプスン、メイ・マカヴォイ、ガレス・ヒューズらが出演した。やくざの世界の兄妹と夫婦の愛情を描いた作品である。

 「狂恋の唄女」(1922)は、ベルタ・M・クレイの小説を映画化した悲恋物語である。ニューオリンズの実業家アランは、スペインで美しい歌声の美女ロジタと出会い、恋に落ちる。だが、アランには故郷に残した婚約者がおり・・・といった内容の作品である。

 「男子怒れば」(1922)は、「シカゴ・デイリー・ニュース」紙が3万ドルの懸賞金で募集した映画シナリオ賞を獲得した作品の映画化である。金満家のピーターが開いた舞踏会の夜に強盗が押し入るが、卑劣な行いをして人々の物笑いとなり・・・という内容の作品である。

 初の2色式テクニカラー映画「恋の睡蓮」(1922)が公開されたのも1922年である。