その他のドイツ映画 1922年

 「カリガリ博士」(1920)の脚本家であるカール・マイヤーは、スタンダールの「イタリア年代記」の翻案である「ヴァニーナ」(1922)の脚本を担当している。他にもドイツでは、4部からなる長編「ライン悲愴曲」(1922−23)が製作された。帝国を賛美する国粋主義的作品で、ドイツ国内では大ヒットした。

 トーキーの分野では、ドイツのハンス・フォークトとヨーゼフ・マゾレ、ヨーエ・エンゲルが、1919年に閃光管式発声装置を研究していた。「トリ=エルゴン(三者の仕事)」と名付けられたこのトーキー方式による初のトーキー公式上映が実施されている。だが、ドイツ映画界では黙殺され、3人は特許をスイスの資本家に売却し、そこの技術顧問として研究を続けた。