スペイン映画 1922年

 スペインでは、スペインの国技である闘牛を扱った映画が製作されていた。この年は、アンリ・ヴォラン監督の「ミリトナ、または闘牛士の悲劇」(1922)が製作されている。

 またスペインでは、植民地だった北部モロッコの反乱によるモロッコ戦争が1909年から起こっていた。セルタ・フィルムス社によるモロッコ戦争のドキュメンタリー「祖国防衛者たちの帰国」(1922)や、ラファエル・サルバドール監督「祖国のために」(1922)、ラファエル・ロペス・リエンダ監督「部隊の英雄」(1922)といったモロッコ戦争を題材にした映画が製作されている。

 他にも人気喜劇スターだったアントニオ・ヒルバレーラが出演した「クーロ・バルガス」(1922)も製作されている。二枚目スターで後に「市民ケーン」(1940)にも出演するフォルトゥニオ・ボナノバは、「ドン・フアン・テノーリオ」(1922)に出演している。

 スペイン映画草創期から活躍するフランクトゥオッソ・ヘラベルトは、ボレアル・フィルムスで「無賃乗車」(1922)を製作している。