イギリス 若い映画人の台頭 バルコン、ウィルコックス
不振だったイギリス映画だったが、若い才能が芽生え始めていた。
後に、イギリス的性格を作品に反映させた映画製作者の1人となるマイケル・バルコンは、生地バーミンガムで配給業をやっていたが、1922年にヴィクター・サヴィルらとイズリントンに独立プロを結成している。バルコンの元から、アルフレッド・ヒッチコックが映画人として活躍していくことになる。
第一次大戦後に仲間と配給業をはじめて利益を上げていたハーバート・ウィルコックスは、その利益を元に「ワンダフル・ストーリー」(1922)を製作している。批評はよかったが、大衆には受けなかったという。
イギリスの伝統とも言えるドキュメンタリーの分野では、パーシー・スミスらによる「自然の秘密」シリーズが製作されている。顕微鏡や特殊レンズで、動物や昆虫の神秘を撮影した短編だった。
また、フランスのゴーモン社のイギリス代理店をイギリス側が完全に買い取り、新会社のゴーモン=ブリティッシュが誕生している。