映画評「天晴トニー」

 製作国アメリカ 原題「JUST TONY」 フィックス・フィルム・コーポレーション製作・配給
 監督・脚本リン・レイノルズ 原作マックス・ブランド 出演トム・ミックス、J・P・ロックニー

 荒くれ馬のトニーは、馬を支配する人間たちの横暴に耐えかねて、捕らわれた馬を助け出し、人間たちに追われる。だが、カウボーイのジムだけは、トニーに優しく接しようとする。

 カウボーイ役で人気を得たトム・ミックスが出演しているが、本当の主役は馬のトニー。トニーの心理までもが時に字幕で表現され、人間さながらの存在として描かれている。

 ブラッシングされて黒く光るトニーが、荒野を駆ける姿はカッコいい。アクションにもドラマにも欠ける作品だが、トニーの存在感だけは光っている。この後、ミックスとトニーは名コンビとして、単純明快な西部劇のスターとして人々を楽しませていく。


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