映画評「キートン半殺し(バスター・キートンの華麗なる一族)」

 製作国アメリカ 原題「MY WIFE'S RELATIONS」
 ファースト・ナショナル・ピクチャーズ製作 アソシエイテッド・ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給
 監督・脚本・出演バスター・キートン 出演モンテ・コリンズ、ウィーザー・デル、ハリー・マディソン、ケイト・プライス

 誤解からアイルランド人の女性と結婚したキートンは、荒くれの家族たちに囲まれて、ひどい目に合う。

 外国人街を舞台にして言葉や習慣の違いをネタにしたギャグがいくつかある。たとえば、食卓でなかなか肉にありつけないキートンが、カレンダーを破って家族に金曜日と思わせることで、肉にありつくギャグ(宗教上の理由)などがそうだ。これまでのキートンの作品には文化の違いによるギャグはあまりなかった(戯画化されたネイティブ・アメリカンは登場したが)。

 ギャグの中でもっともおもしろかったのは、家族写真を撮るシーン。三脚が壊れていて、カメラが少しずつ下がっていくのにつれて、家族たちも身を屈め、最後には腹ばいになるというギャグだ。

 後半は家の中を舞台にしたドタバタが繰り広げられる。キートンの高い身体性を堪能できておもしろいのだが、今までの室内でのドタバタと比較してカットが割られているのが残念。身体運動を楽しむにはカットがなるべく割られていない方がいい。


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