映画評「GOLF」

 製作国アメリ
 ラリー・シーモン・プロダクションズ製作 ヴァイタグラフ・カンパニー・オブ・アメリカ製作・配給
 監督・製作・脚本・出演ラリー・シーモン 監督・脚本トム・バッキンガム 出演オリヴァー・ハーディ

 当時人気のあったシーモンによるコメディ。ゴルフを題材に、様々なドタバタを見せてくれる。

 この作品を見ると、シーモンの映画が細かいギャグという点においては、それほど優れていないことが分かる。1921年に作られたチャールズ・チャップリンの「のらくら」におけるゴルフのギャグと比べれば、発想といい、タイミングといい、大きな違いがある。ただし、チャップリンにないものもシーモンにはある。それは、大げささによるシュールな面白さだ。

 シーモンのゴルフの邪魔をする男がボールを打つと、盛大な爆発が起こり、後には服がボロボロになった男がほうほうのていになっているというギャグは、シーモン映画ならではの面白さだ。巨大な爆発をカメラは引いて撮影して編集でつなげるという演出も、大げささを際立たせる点で適切だ。

 シーモン映画の最大の楽しさである大げささは、上記の爆発以外は少し物足りない。細かいギャグは今一つなため、全体としても少し物足りない。