映画評「THE SLEUTH(THE AGENT)」

 製作国アメリ
 ラリー・シーモン・プロダクションズ製作 ヴァイタグラフ・カンパニー・オブ・アメリカ製作・配給
 監督・製作・脚本・出演ラリー・シーモン 監督・脚本トム・バッキンガム 出演オリヴァー・ハーディ

 当時人気のあったシーモンによる短編コメディ。探偵となったシーモンが、宝石を狙われた女性の身を、悪漢たちから守るために奮闘する。

 ありがちと言えば、ありがちな内容である。椅子を叩きつけると巨大な柱が倒れてくると入った、シーモン映画の最大の魅力である「大げささ」は、この作品でも生きている。他にも、レストランが地下にあるというシチュエーションを活かして、上からいろいろ降らせてみたり、人が落ちてきてみたり(テーブルにぶつかって跳ね返ってみたり)といった様々なギャグが込められている。

 後半は、高いビルとビルの間に架けられたハシゴを使ってのアクションだが、比較的地味だった。いや、それなりに派手なのだが、シーモン映画に見られるようなシュールな大げささはなかった。

 シーモン映画は、どの作品を見てもそれなりに楽しませてくれる。だが、「それなり」の作品が多いのも確かだ。