映画評「THE EGG」

 製作国アメリ
 アマルガメイテッド・プロデューシング・コーポレーション製作 メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション配給
 監督ギルバート・プラット 製作ギルバート・M・アンダーソン 出演スタン・ローレル

 ハンプティ・ダンプティは木工所で働く労働者。ドタバタを繰り広げながら、所長が悪い金持ちに騙されて逮捕されそうになるところを救出する。

 オリヴァー・ハーディとコンビを組む前の、スタン・ローレルが単独主演した作品。製作に、1910年代に「ブロンコ・ビリー」シリーズで人気を得たギルバート・M・アンダーソンの名前がある。

 オープニングで、悪い金持ちの豪華な生活と、貧しいローレル演じるハンプティの生活がカット・バックで描かれる。他のコメディと異なる雰囲気で始まる作品だが、それはオープニングだけである。この後は、木工所にある道具や設備を使ったギャグが繰り広げられるものの、目新しいものはない。

 途中で、労働者のリーダーとなったローレルが、(サイレントなので)字幕を使った、労働者たちを扇動する演説をするシーンがある。別の慣用句の前半と後半をくっつけて、意味が分からなくなり、聞いている労働者がとまどうといったギャグだ。面白いギャグだが、こういったギャグが(特にアメリカで)効果的となるのは、トーキー以後だろう