その他のフランス映画 1923年

 「ラ・バタイユ」(1923)は、ハリウッドでスターとなっていた早川雪洲がフランスに遠征し出演した作品である。早川は、エドゥアール・ヴィオレと共同で監督も務めた。早川の妻でもある青木鶴子が共演した。

 ディミトリ・キルサノフは、「運命の皮肉」(1923)を監督している。ロケで撮影された作品で、1人の孤児が苦しみを体験しつつ、思春期から老婆になっていく物語である。

 レオンス・ペレは、ピエール・ブノアの名作を映画化した「ケーニクスマルク」(1923)を監督している。公爵の跡取り息子ロドルフと結婚したオーロール姫は、ロドルフが旅先で病死したという知らせを受けるのだが、城から発見されたドクロがロドルフのものであることがわかり・・・という内容の作品である。

 フランス産映画ではないが、D・W・グリフィスの「国民の創生」(1915)がパリで上映されていたが、人種差別的描写から警察によって上映禁止となっている。

 ちなみに、この年フランスの大舞台女優で、映画にも出演したサラ・ベルナールが死去している。また、フランスを代表する喜劇映画俳優だったが、この頃は不遇だったマックス・ランデーが、20歳年下のエレーヌ・ピータースと結婚するが、2人の結婚は悲劇的な結末を迎える。