オーストリア ジャック・フェデー「面影」

 後にフランスを代表する監督の1人となるジャック・フェデーは、オーストリアで「面影」(1923)を監督している。ジュール・ロマンの小説を映画化したロマンティック・コメディである。写真で見た女性に恋をした3人の男性が、実物の女性を見て失望するという内容である。この作品には、フェデーの映画に通じる主題「見知らぬ不思議な女性に対する狂おしい愛」「個人的ヴィジョンと現実の裂け目」があるという。