イギリス映画草創期からの映画人 セシル・ヘップワース

 イギリス映画の草創期から活躍を続けていたセシル・ヘップワースは、自作のリメイクでもある「ライ麦畑からやってくる」(1923)を監督している。主演男優が病気で撮影が遅れるも、ブリティッシュ・フィルム週間に出品するために、未完成の部分があるまま仕上げたと言われている。

 財政的に困難に陥っていたヘップワースは、この後破産宣告を受ける。撮影所、作品のネガが売却される。このため、現在ではヘップワースの作品の大部分は行方不明になってしまっているという。その後、ヘップワースは、主に予告編製作を仕事とし、1953年に亡くなっている。

 ヘップワースが運営していたウォルトン撮影所は経営者を変えたのち、1950年代に住宅・商店地区となっている。残ったのは、ヘップワース・ウェイの名前だけだったという。