映画評「LES GRENOUILLES QUI DEMANDENT UN ROI」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]フランス [英語題]THE FROGS WHO WANTED A KING [製作]Polichinei-Film

[監督・脚本・撮影・美術]ヴワジスワフ・スタレーヴィチ

 カエル国のカエルたちは、神様に自分たちの国を統治するための王を送ってもらうように頼む。

 1912年に「THE CAMERAMAN'S REVENGE」を製作したことでも知られる、ストップモーション・アニメの始祖の1人スタレーヴィチによる作品。ロシア人だったスタレーヴィチが、ロシア革命後に逃れたフランスで製作した作品である。神に王を寄越してもらうように懇願するも、カエルを食べるツルを送られてしまうという内容は非常にブラックで、中央がすべてを指揮する形のロシア革命を皮肉っていると思われる。

 カエルやツルなどを描いたストップモーション・アニメの技術は見事だが、より複雑な動きを、より人間臭く滑らかにした「THE CAMERAMAN'S REVENGE」と比べてしまうと、少し劣る気がする。比べることに意味はないのだが。