映画評「理性への回帰」
※ネタバレが含まれている場合があります
[製作国]フランス [原題]LE RETOUR A LA RAISON [英語題]RETURN TO REASON
フランスの写真家マン・レイによるシュールで前衛的な作品。
集会のために24時間で作られた作品らしく、マン・レイはフィルムに塩と胡椒を振りかけたり、釘を乗せたりして撮影した。映像自体にはこれといった意味はなく、映像によるスキャットとも言える作品となっている。
この作品に限らず、当時製作された同タイプのアヴァンギャルド映画を見ると、音の不在をより強く感じる。それは、映画内に音を示すものがない(たとえば、人がしゃべっているとか、何かと何かがぶつかるとか)ためもあるのかと思う。こういった作品にはなんらかの音楽を付けて欲しくなる。