ライオンマークのMGMが設立

 1924年4月17日、現在でも名を残す映画会社が誕生している。メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)である。MGMは、それまでの最大手だったパラマウントを脅かす存在となっていく。

 MGMは、マーカス・ロウが自身の保有するメトロ社に、独立プロデューサーとして活躍していたサミュエル・ゴールドウィンゴールドウィン社、ルイス・B・メイヤーのメイヤー社を合併させてが設立された。トレードマークには、ゴールドウィン社が使用していた有名なライオンのマークが引き続き使われた。

 ロウは当初、社名を「メトロ=ゴールドウィン」とするつもりだったが、メイヤーが社名は3つの方がしっくりくると主張してメトロ=ゴールドウィン=メイヤーとなったという。また、ロウはメイヤーのところで働いていたアーヴィング・サルバーグやハリー・ラブが欲しくてメイヤーをMGMに参加させたとも言われる。ロウはニューヨークにとどまり経営に専念し、製作はメイヤーにまかせた。一方、中心人物の1人だったゴールドウィンはメイヤーと対立し、100万ドルで株を売却。以後、独立プロデューサーとして活躍していくことになる。

 ロウはこれによって、製作・配給・興行のすべてを押さえることになった。当時、映画産業は拡大し、大資本と大組織でなくては活動できなくなってきており、MGMの設立はそんな状況を反映した出来事でもあった。