新スター、ラモン・ノヴァロの活躍

 人気スターとなっていたラモン・ノヴァロは、「アラブ」(1924)や「紅百合」(1924)に出演している。

 「アラブ」は、「黙示録の四騎士」(1921)を監督するなど、当時のハリウッドで有力な監督の一人だったレックス・イングラムが監督している。ルドルフ・ヴァレンティノの「シーク」(1921)のノヴァロ版といった作品だったという。ちなみにイングラムはこの後、MGMに対してフランスで映画を製作できるように要望し、ニースで撮影所を持つようになったが、トーキーになると映画を撮らなくなったという。

 「紅百合」(1924)はフレッド・ニブロ監督、エニッド・ベネット共演の作品である。すれちがい恋愛メロドラマの典型的作品で、好評だったという。