ドイツ映画 街路の映画と「ニュウ」

 「室内劇映画」の延長で街路の世界をドラマに引き入れてリアリズムに近づけた「街路の映画」と呼ばれる映画の1つとして、パウル・ツィンナー監督、エリザベート・ベルクナー主演の「ニュウ」(1924)があげられる。ロシアの新進作家オシップ・ディモフの詩をモチーフとした舞台劇の映画化である。「街路の映画」は、いずれも街を恐怖の荒野として描いたが、「ニュウ」も人妻が男にそそのかされて家を出るも捨てられて、自殺するという内容の作品である。