スペイン映画 1924年

 スペインのバスク地方では、アウレリアーノ・ゴンサレス監督の「孤児ロリータ」(1924)が製作されている。

 スペインの国技である闘牛を扱った作品としては、ホセ・ブックス監督の「闘牛士の勲章」(1924)が製作されている。

 この頃には男優スターも誕生していており、マヌエル・モンテネグロ主演の「生涯の」(1924)といった作品が製作されている。後に「市民ケーン」(1940)にも出演する二枚目スターのフォルトゥニオ・ボナノバは、「お転婆娘」(1924)に出演している。

 「お転婆娘」を監督したフローリアン・レイは、この後、農業社会、高い文盲率、カトリックに根ざした保守的な道徳観を背景とした伝統的な映画作りを行っていく監督である。当初は俳優として活躍し、「トロヤの家」(1924)などに出演していた。「トロヤの家」で俳優フアン・デ・オルドゥーニャと知り合い、ゴヤ・フィルムスを設立している。初監督作である「お転婆娘」はヒットし、アトランティダ社に監督して招かれることになる。