映画評「BIG BUSINESS」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ロバート・F・マクゴーワン [製作・脚本]ハル・ローチ

[出演]アラン・キャヴァン、ジョー・コブ、ジャッキー・コンドン、ミッキー・ダニエルズ、ウィリアム・ギレスピー

 理髪店を営んでいるちびっ子ギャングたち。モヒカンにしてしまったり、アイロンがけを頼まれたズボンに穴を開けてしまったりと失敗ばかりしてしまう。ハル・ローチ製作の「OUR GANG(ちびっ子ギャング)」シリーズの1つ。

 「ちびっ子ギャング」シリーズのパターンの1つに、子どもが大人の真似事をするというものがある。しかも、本当の子どもたちならば作ることは無理と思われる小道具やセットを駆使してみせるところに、映画らしい楽しさがある。この作品では、子どもが自由に思い描いたものを現実に呼び起こしたような理髪店のイスといった小道具や全体のセットが楽しい。

 子どもたちが失敗するのも、大人が主役のコメディであれば大げさに騒ぐところを、子どもたちはまったく騒がないで、まるでそれが当然のようにすら振る舞う。太っちょの理髪師を演じる子どもにいたっては、ふてぶてしさすら感じさせる貫禄を醸し出している。

 女の子のように髪を伸ばした少年が髪を切ったり、ケンカを覚えたりといったエピソードもいいが、全体に漂う子どもの世界の雰囲気の楽しさに比べたらおまけのようだ。