イギリス アルフレッド・ヒッチコックの監督デビュー

 1924年に自らが設立した製作会社を、ゲインズボロー・ピクチャーズへと発展させたマイケル・バルコンは、ドイツ・ウーファのエーリッヒ・ポマーと合作で、グレアム・カッツ監督「悪漢」(1925)などを製作している。

 アルフレッド・ヒッチコックが「快楽の園」(1925)で監督デビューを果たしている。ヒッチコックは、字幕のデザイナーとしてパラマウントのロンドン支社で働いており、他の部署でアイデアや人手が求められれば、積極的にアイデアを提供したり仕事を引き受けたりしていたという。

 「快楽の園」は、マイケル・バルコンとドイツ・ウーファ社のエーリッヒ・ポマーが合作で製作した作品である。ロケはイタリア、スタジオ撮影はミュンヘンで行われ、アメリカ女優のヴァージニア・ヴァリが主演した。2人のコーラス・ガールが、婚約者と夫を熱帯地方に追っていくメロドラマで、最後に殺人が起こるという内容だったという。