輸入映画 1925年

 ユニヴァーサル、パラマウントユナイテッド・アーティスツに加えて、1924年にはフォックスも日本支社を設立していた。さらに1925年6月には、それまでは日活が配給していたファースト・ナショナル社も支社を設立している。

 1925年には下記のような映画が日本で公開されている。

恋の凱歌」(ロシア)

バグダッドの盗賊」「冬来りなば(キネ旬7位)」「十誡」「雀蜂」「禁断の楽園」「ピーター・パン」「救ひを求むる人々(キネ旬3位)」「黄金狂時代(キネ旬1位)」(アメリカ)

罪と罰」「ジークフリード」「蠱惑の街」「戦く影」(ドイツ)

「シラノ・ド・ベルジュラック」(イタリア)

「嘆きのピエロ」(フランス)

 カール・グルーネ原作・脚色・監督の「蠱惑の街」は、字幕が9ヶ所のみで、視覚的素材で映画を構成され、主人公の男の主観を通して心理表現を行った作品だが。日本での興行は不振だったという。

 「禁断の楽園」は、皇室の生活を誤解させる恐れがあるとして、エロチックな場面が検閲でカットされた。