映画評「PARISIAN LOVE」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [製作]B・P・シュールバーグ・プロダクションズ  [配給]アル・リクトマン、プリファード・ピクチャーズ・コーポレーション、インディペンデント・セールス・コーポレーション

[監督]ルイ・J・ガスニエ  [製作]B・P・シュールバーグ  [原作]F・オークレイ・クロフォード  [脚本]ルイス・ハッチンソン  [撮影]アレン・G・シーグラー

[出演]クララ・ボウ、ドナルド・キース、リリアン・レイトン、J・ゴードン・ラッセル、ヘイゼル・キーナー

 舞台はパリ。盗賊のマリーは仲間と教授の家に侵入するが失敗。マリーは逃げるが、恋人のアルマンは教授に囚われてしまう。アルマンがかつての教え子であることを知った教授は、更生させようと自分の近くにアルマンを置く。一方、アルマンが死んだと思ったマリーは復讐のために教授に近づき、財産目当ての結婚を狙う。

 「あれ」(1927)で大スターになる前のクララ・ボウが主演した作品である。トレード・マークの大きな目はすでに見ることができ、ふとした表情にハッとするような美しさを見せてくれる。淑女に扮したリリアン・レイトン演じるマリーの犯罪仲間の中年女性が、下品さを隠しきれず、しまいにはパーティに用意された酒を飲み過ぎて、執事に「ここの酒は、お客様みなさまのものです」と注意されたりする様子も楽しい。内容的には教授のアルマンへの同性愛的な感情を感じたりするものの、これといった見どころに欠けるのが残念だ。

 1900年代からフランスで活躍した最古参の映画監督の1人であるガスニエが監督を担当している。この頃ガスニエはアメリカの独立系の製作会社の作品を多く監督していた。